有名所以外では手話通訳士

介護の資格で代表的なものに社会福祉士や介護福祉士といったものがあります。
これらは国が認定する国家資格でもあり、世間的にも比較的認知度の高い資格です。

しかし介護の資格には様々なものがあり、国家資格だけでなく民間の団体や企業が認定する民間資格も存在します。
そんな民間資格の中に手話通訳士というものがあります。

手話通訳士は聴覚に障害を持つ方と健聴者が円滑なコミュニケーションを図ることができるようサポートする仕事です。
手話を用いることで健聴者の言葉を目に見える形に訳し、聴覚障害者の手話を言葉に訳すことで意思の疎通を成立させます。

手話通訳士になるにはまず厚生労働省が認定する手話通訳技能認定試験を受験し、合格する必要があります。
試験は年1回開催され、20歳以上であれば誰でも受けることが可能です。
合否は学科と実技によって判断されるのですが、合格率は平均約15パーセントとなっており難易度はかなり高いと言えます。
試験合格者はその後社会福祉法人聴力障害者情報文化センターに登録することで手話通訳士を名乗ることができます。

尚、世間では手話通訳士を公的資格だとする向きもあります。
しかし公的資格の制度はすでに廃止されており、廃止以降は公共性の高い民間資格があるだけで公的資格そのものは存在しません。

また手話通訳自体は資格を所持していなくても行うことが可能で、そういった方全般を指して手話通訳士と呼ぶケースも多いようです。
しかし裁判や政見放送など、公的な仕事に従事できるのは手話通訳士の資格保持者に限られます。
活動の場を広げるためにも取得しておきたい資格だと言えるでしょう。